passage in the wind

1976年に制作された同名映画が30年ぶりに復活。そして監督、主演は当時のまま！
金田一シリーズ映画ファンとしてこれは是非見ておかなくてはいけないと、早速映画館に足を運びました。
タイトルとともに愛のバラードが流れた瞬間はもう鳥肌もんでした。やはりこのテーマ曲なくしては犬神家は語れない、というくらい名曲ですね。過去の作品にはなかった劇中での曲の使用も何カ所かありました。
内容は台詞、演出などほぼ当時のままでとても面白かったです。金田一に石坂浩二はもちろんだったんですが、なんといっても等々力署長（'76年版は橘署長）に加藤武というのがファンにとってはたまりませんでしたね。お得意の「よーし、分かった！」も健在で嬉しい限りでした。（年老いてしまった部分は差し引いて見てました（笑））
欲を言えば富司純子の松子にもうちょっと迫力があったらいいかな～とも思いましたが、息子の尾上菊之助（佐清役）との親子共演（役の上でも親子）はなかなか良かったです。
あとは、旧作と比べると犬神家の恐ろしくおどろおどろしい部分と、はるの明るいキャラクターでほっとする、というメリハリが今作はあまり感じられなかったような気がします。


監督：市川昆
出演：（）内は'76年版の配役
金田一耕助　石坂浩二
犬神佐兵衛　仲代達矢（三國連太郎）
野々宮珠世　松嶋菜々子（島田陽子）
犬神佐清　尾上菊之助（あおい輝彦）
犬神佐武　葛山信吾（地井武男）
犬神佐智　池内万作（川口恒）
犬神松子　富司純子（高峰三枝子）
犬神竹子　松坂慶子（三条美紀）
犬神梅子　萬田久子（草笛光子）
猿蔵　永澤俊矢（寺田稔）
犬神小夜子　奥菜恵（川口晶）
青沼菊乃　松本美奈子（佳那晃子）
琴の師匠　草笛光子（岸田今日子）
大山神官　大滝秀治
等々力署長　加藤武（橘署長）
古館弁護士　中村敦夫（小沢栄太郎）
那須ホテル女中・はる　深田恭子（坂口良子）
那須ホテル主人　三谷幸喜（横溝正史）
柏屋主人　林家木久蔵（三木のり平）
柏屋女房　中村玉緒（沼田カズ子）

★★★★☆

動物プロダクションを営む一家に新しくゾウが２頭やって来る。ゾウを飼うのは母親の昔からの夢だった。初めてゾウを見た一家の息子哲夢は不思議とゾウと心を通わせることができた。しかし全く調教されていない小ゾウのランディはなかなか言うことを聞いてくれない。そんな時ゾウの飼育員から、タイにはゾウ使いという職業があってそのための専門学校もあると聞き、哲夢はタイに行きゾウ使いになる決心をする。

監督：河毛俊作
出演：柳楽優弥、常盤貴子、高橋克実、蒼井優、倍賞美津子

これは実話を元にした話でとても感動的でした。ただ２時間という枠に収めるのはやはり難しいのか、原作を読んではいないのですが、ちょっとはっしょってるなーという感じは否めませんでした。
常盤貴子の演技が予想以上に良かったです。

★★★☆☆

CM界のトップクリエイター･多田琢と関口現が手掛けた斬新なスタイリッシュコメディ。錚々たる俳優陣が個性的なキャラクターに扮した5つの物語が展開。それは後に交錯し、事態は急展開を見せる。

監督：関口現
出演：浅野忠信、橋本麗香、小泉今日子、阿部寛、岸部一徳

見始めはかなり？？な感じなんですが、30分もすると次が気になってどんどん引き込まれていきました。CMクリエイターが手がけたというだけあって交錯する５つの話のテンポも良く、映像もハイセンスで極彩色な映画という感じでした。そして、え？こんなところにこんな人が？？みたいな意外性もたくさんあったし、荒川良々、津田寛治、森下能幸などの個性派俳優もかなりいい味出してました。阿部寛の怪演もかなり良かったです。
コメディと言えども、ちょっとホロリときたり感動したりとなかなか楽しめる作品でした。ちょっと変わった個性的なコメディが見たい方にはオススメです。

★★★★☆

かの有名な永井豪原作漫画の実写版です。実はレンタルビデオ屋で見るまで映画化されていたことすら知らなかったわけなんですが、パッケージのかっこよさにひかれて借りて見てみました。
感想はというと・・・・見事に裏切られましたね（笑）　デビルマンのディテールは格好良かったんですが、なにせ主役は演技ド下手（演技は初だそうですが）、脚本もセリフがなんだかおかしいし（はぁ？と思ったセリフ多数）、実写とCGのバランスも非常に悪いしいいとこなしの映画でした。
漫画5巻分をたった2時間弱の枠に収めるというのは大変だと言うことは分かりますが、それを差し引いてもひどすぎる・・
翌日、このひどい映画の世間の評判はどうなんだろうと興味が湧いたので調べてみたところ、やはりどれもこれも批判の嵐でした。
原作がいいだけにとてももったいないような気がします。

原作：永井豪
監督：那須博之
出演：伊崎央登、伊崎右典、酒井彩名、渋谷飛鳥、宇崎竜童、阿木燿子、富永愛、ボブ・サップ

★☆☆☆☆

長い戦いの末に勝利を収めた大亜細亜連邦共和国。しかしその代償は大きく薬害やウイルス、放射能などの後遺症が蔓延する荒れた大地に人々は苦しめられている。
そんな中、東博士が「新造細胞」理論を提唱し軍関係者の援助により、研究が始まる。思うように研究が進行しない中、生まれるはずのない新造人間が実験場から生まれてしまう。しかし、人類を救うはずの新造人間は、人類に対して強い憎しみを抱いていた・・・

監督：紀里谷和明
出演：伊勢谷友介、麻生久美子、寺尾聰、樋口可南子、小日向文世、宮迫博之、佐田真由美、要　潤、 西島秀俊、及川光博、寺島進、大滝秀治、三橋達也、唐沢寿明

CGやキャラクターのディテール、アクションシーンがすごくかっこよかったです。
ストーリーは、「あぁ・・なんで人間ってみんな勝手なんだ・・」とちょっとがっくりきてしまいます。自分たちで作っておきながら刃向かえば容赦なく殺す。生き残るためには仕方がない、そうせざるを得ないやりきれなさも感じました。東博士には最後まで共感できなかったなぁ・・・。
でも、CGは本当にすごいので一見の価値はあると思います。

★★★☆☆

母けい子と明、京子、茂、ゆきの4人の子供たち。子供たちの父親はみな別々で、学校に通ったこともない。それでも母がデパートで働き、12歳の明が母親代わりに家事をすることで、家族5人は彼らなりに幸せな毎日を過ごしていた。しかし大家には父親が海外赴任中のため母と長男だけの二人暮らしだと嘘をついている。母子家庭で4人も子供がいると知られれば、また家を追い出されかねないからだ。
そんなある日、母は明に「今、好きな人がいるの」と告げる。今度こそ結婚することになれば、もっと大きな家にみんな一緒に住んで、学校にも行けるようになるから、と。

ある晩遅くに酔って帰ってきた母は、突然それぞれの父親の話を始める。そして翌朝になると母の姿は消えていて、代わりに20万円の現金と「お母さんはしばらく留守にします。京子、茂、ゆきをよろしくね」と明に宛てたメモが残されていた。
この日から、誰にも知られることのない4人の子供たちだけの"漂流生活"が始まる。

監督：是枝裕和
出演：YOU、柳楽優弥、北浦愛、木村飛影、清水萌々子、韓英恵、平泉成、寺島進

実話をモチーフにフィクションで作られた物語だそうですが、切ない・・・・
本当に切なすぎる映画です。子供達がけなげすぎる・・・(;。;)　
たとえ置き去りにされてもやっぱり子供は母親が恋しいし、どんなにひどい母親でも信じて待っているんです。そして４人で必死に生きようとする、そんな子供達のまっすぐなまなざしや、一生懸命さに胸がしめつけられそうになりました。大人はそんな子供たちを決して裏切ってはいけないんだ、と心から思える映画です。
そして、出演していた子供たちが本当にみんなかわいい！どこからが演技でどこまでが自然体なのか本当に分からなかったです。見ているうちに映画だというのを忘れてしまいそうになりました。こんな映像が撮れた監督は素晴らしいと思います！
単に母親に置き去りにされたかわいそうな子供達の映画ではありません。もっと心に訴えるものがきっとあると思いますので、是非おすすめします。

★★★★☆

嶽本野ばら原作、同名小説の映画化作品。
ロリータ大好き女子高生の桃子は、両親の離婚をきっかけに兵庫県から父親の実家である茨城県下妻市に引っ越してきた。小さい頃からダメ親父を見て育った桃子は自分の事以外は無関心で、他人との交流をもたず孤独だった。そんな桃子が洋服の個人売買をきっかけに超ヤンキー女子高生のイチコと知り合いになる。桃子とは正反対で人情に厚いイチコ。趣味も見た目も性格も全く正反対の二人だが、イチコは何故か桃子が気に入り、おかまいなしに家に訪ねてくるようになる。だんだんとイチコのペースに巻き込まれていく桃子。そして、日が経つに連れ二人の間には本当の友情が芽生え始める。

監督：中島哲也
出演：深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、阿部サダヲ、岡田義徳、樹木希林

面白かったです。いろんな意味で。最初はかなりコメディ路線で笑えましたが、ストーリーもなかなか面白かったです。

★★★☆☆

ある日突然聞き慣れない着信音と共に自分の携帯番号から電話がかかってくる・・留守電のメッセージを聞くとそれは数日後の日付でしかも自分の声が入っている。そしてその日付、時刻を迎えた瞬間死が訪れる。それは携帯のメモリーを通じて次々と広がっていく・・・・

監督：三池崇史
出演：柴咲コウ、堤真一、吹石一恵、石橋蓮司、岸谷五朗

あまり期待しないで見たんですが、割と面白かったです。すごく怖いというほどではありませんでしたが、結構ドキドキしましたね。あの着信音はちょっと怖いかも・・（笑）ラストはリングを彷彿とさせるものもありましたが、ちょっと謎めいた終わり方でした。

★★★☆☆

男性の首をひと捻りで殺害して脳味噌をシチューにするという、前代未聞の事件が起きる。検死官によると、状況からして犯人は体重100キロ以上、握力150キロ以上の男性だと言う。ところが現場で発見されたのは、女性のものと見られる痕跡だった。そして犯人像が絞れない早瀬、日鷹ら捜査陣の元に、同じく脳味噌が抜き取られた第2の殺人事件の連絡が入る…。

監督：飯田譲治
出演：江口洋介、原田芳雄、市川実和子、松雪泰子、柏原崇、加藤晴彦

いきなりのっけからげろげろ～な感じ（笑）カルトが好きな方にはオススメです。 市川美和子の演技がちょっと気になりましたが、江口洋介とのコンビが期待以上に良かったですね。柏原崇がかなりキレててかっこ良かったです。原田芳雄はやっぱりシヴイ！

★★★★☆

日本の中の異国YENTOWNの娼婦グリコがスターになり、その行く末を描いたストーリーと、一言では言い切れませんがとにかくみんな一生懸命で必死に生きている姿が素晴らしいと思いました。

監督：岩井俊二
出演：三上博史、CHARA、伊藤歩、江口洋介、渡部篤郎、山口智子、大塚寧々、桃井かおり、浅野忠信（友情出演）

私が見た映画の中で一番大好きな映画です。雰囲気、ストーリー、出演者どれも最高！三上博史、CHARA、江口洋介が中国語をしゃべり、出てくるアメリカ人が日本語ペラペラというなかなか面白いシチュエーションです。
好き嫌いがかなり別れる作品でもあります。

★★★★★